Certificazione
CILS B1とは?|試験の構成とCittadinanza版との違い
イタリア語の検定を調べると、まず出てくるのがCILSです。留学、就労、そして国籍申請。目的によって受けるべき試験も、必要なレベルも変わります。この記事では、CILSとは何か、試験がどう構成されているか、そして混同されがちな「CILS B1 Cittadinanza」との違いを整理します。
CILSとは
CILS(チルス)は Certificazione di Italiano come Lingua Straniera の略で、シエナ外国人大学(Università per Stranieri di Siena)が発行する、外国語としてのイタリア語能力の公的な認定です。レベルはCEFRに対応しており、A1からC2までが用意されています。
イタリア語の主要な検定は、実施機関の違いで大きく3つに分かれます。
| 検定 | 実施機関 | 特徴 |
|---|---|---|
| CILS | シエナ外国人大学 | もっとも広く知られる。国籍申請専用のB1 Cittadinanzaがある |
| CELI | ペルージャ外国人大学 | CILSと並ぶ主要検定。こちらも幅広く認知されている |
| PLIDA | ダンテ・アリギエーリ協会 | 世界各地に支部があり受験機会を得やすい |
3つの違いと選び方は検定対策で個別に扱います。どれを選ぶべきかは「提出先が何を受け付けるか」で決まります。大学や役所の要件を先に確認してから、受ける試験を決めてください。
CILS B1の試験構成
CILSは、言語を「使える」かどうかを技能ごとに測ります。B1では一般に次の領域が出題されます。
- Ascolto(聴解) — アナウンス、会話、短いニュースなどを聞いて要点をつかむ
- Comprensione della lettura(読解) — 記事や案内文を読んで内容を理解する
- Analisi delle strutture di comunicazione(言語構造の分析) — 文法・語法。空所補充や書き換えの形式
- Produzione scritta(筆記) — 手紙やメール、短い作文
- Produzione orale(口頭) — 面接形式で、自己紹介や与えられたテーマについて話す
ポイントは、技能ごとに合否が判定される点です。全体の平均で押し切るのではなく、苦手な技能を残したままだとそこだけ不合格になります。日本人受験者の場合、読解と文法で稼いで口頭で落とすパターンが典型的です。
必ず公式で確認を
試験の実施回数、日程、受験料、会場、合格基準、各セクションの配点や制限時間は改定されることがあり、受験地によっても異なります。申し込みの前に、必ずシエナ外国人大学および国内の実施機関(受験を予定する会場)の最新の公式案内をご確認ください。この記事は試験の全体像を理解するための解説です。
CILS B1 Cittadinanza との違い
ここが最も混同されるところです。名前は似ていますが、この2つは目的の違う別の試験です。
| CILS B1(通常) | CILS B1 Cittadinanza | |
|---|---|---|
| 目的 | 語学力の一般的な証明。進学・就労など幅広い用途 | イタリア国籍の申請に用いることを想定した専用試験 |
| 位置づけ | A1〜C2の体系の一部 | 国籍申請の要件に合わせて設計された独立の試験 |
| 試験の構成 | 聴解・読解・言語構造・筆記・口頭 | 通常版とは構成・出題範囲が異なる |
| 向いている人 | 大学出願、就労、実力の証明がしたい人 | 国籍申請のために要件を満たす必要がある人 |
注意したいのは、Cittadinanza版が国籍申請以外の用途で通用するとは限らないことです。大学出願のために語学証明が必要なら、通常のCILS B1(または大学が指定する試験・レベル)を受けるのが原則です。逆に国籍申請が目的なら、Cittadinanza版のほうが範囲が限定されるぶん負担は軽くなります。目的を先に決めてから、受ける試験を選んでください。
現地メモ
提出先(大学の事務局、役所)によって「受け付ける証明書」が指定されている場合があります。受験料と数か月の準備を無駄にしないために、申し込む前に提出先へ確認する。これだけで防げる失敗です。
CILS B1に向けた勉強の進め方
B1の実力そのものはイタリア語B1とはで解説したロードマップで身につきます。そのうえで、試験対策として必要なのは次の3つです。
- 形式に慣れる — 過去問・模擬問題を時間を計って解く。実力があっても形式で落ちます
- 口頭を人と練習する — 独学で最も抜けやすい技能。ひとりで対策できない唯一の領域です
- 筆記を添削してもらう — 自分の誤りは自分では見えません。B1の作文は「型」を覚えれば安定します
つまり、独学で伸ばせる部分(聴解・読解・文法)と、人が必要な部分(口頭・筆記)を分けて考えるのが最短です。前者に時間をかけ、後者だけ外部の手を借りる。これが費用対効果の高い進め方です。
Newsletter
イタリア語と、イタリアの「今」を月にいちど。
新しい記事、学習のヒント、講座の開講案内をお届けします。登録するとPDF「初めてのイタリア旅行 10日前チェックリスト」も。