Livello B1

イタリア語B1とは?|必要なレベル・学習時間・できること

イタリアの大学に出願するとき、滞在許可を更新するとき、現地で働くとき。必ず出てくるのが「B1」という基準です。この記事では、B1とは何か、B1で実際に何ができるようになるのか、そこへ到達するまでにどれくらいかかるのかを、遠回りせずに解説します。

CEFR(セファール)とは何か

B1は、イタリア語だけの基準ではありません。CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)という、ヨーロッパ全体で使われている語学レベルの物差しの一段階です。英語のCEFRもフランス語のCEFRも同じ尺度なので、「B1」と言えばヨーロッパ中のどの国でも同じ水準が伝わります。

段階レベルひとことで言うと
基礎A1あいさつ、自己紹介、ごく簡単なやりとり
A2買い物や道案内など、身近な場面の定型的なやりとり
自立B1日常生活を自分ひとりで回せる。経験や理由を説明できる
B2専門的な話題も議論できる。母語話者と対等に近いやりとり
熟達C1複雑な文章を理解し、流暢に運用できる
C2ほぼ母語話者に近い運用

A2とB1のあいだには、はっきりした断層があります。A2までは「覚えた文をそのまま使う」段階ですが、B1からは「自分で文を組み立てる」段階に変わります。多くの制度がB1を基準にしているのは、この境目が「ひとりで生活できるかどうか」の境目でもあるからです。

B1で実際にできること

CEFRのB1は、おおまかに次のように定義されています。

  • 仕事、学校、趣味など身近な話題の標準的な話し方なら、要点を理解できる
  • その言語が話されている地域を旅行しているとき、起こりがちなたいていの事態に対処できる
  • 関心のある話題について、筋の通った文章を書ける
  • 経験、出来事、夢や希望について述べ、意見や計画の理由を簡単に説明できる

実際のイタリア生活に置き換えると、こうなります。役所の窓口で自分の用件を説明できる。不動産屋に条件を伝えて内見を申し込める。医者に症状を伝えられる。大学の講義で何の話をしているかは追える(細部は落ちる)。友人との雑談が成立する。—— つまり「通訳なしで暮らせる最低ライン」がB1です。

現地メモ

B1は「ペラペラ」ではありません。言いたいことを言い換えながら伝える段階です。逆に言えば、完璧を目指さずに到達できるレベルでもあります。ここを勘違いして「まだ話せないから」と受験を先延ばしにする人が非常に多い。

なぜイタリアではB1が基準になるのか

B1という数字が繰り返し出てくるのは、イタリアの制度がこのレベルを「自立の証明」として扱っているからです。代表的なのは次の3つの場面です。

  • 大学への進学 — イタリア語で行われる課程では、出願や入学の条件として語学力の証明が求められるのが一般的です。求められる水準は大学・課程によって異なり、B2以上を要求する課程もあります。
  • イタリア国籍の申請 — 国籍申請では所定のイタリア語能力の証明が必要とされ、この用途に特化した「CILS B1 Cittadinanza」という試験が用意されています。
  • 長期の滞在・就労 — 生活の実務(契約、行政手続き、医療)がイタリア語で完結するかどうかの分岐点が、実感としてもB1付近にあります。

確認のお願い

出願要件・国籍申請の要件・受け入れられる証明書の種類は、制度改正や大学ごとの規定で変わります。実際に手続きをする際は、必ず出願先の大学および所管の公的機関の最新の案内をご確認ください。このページは一般的な考え方の解説です。

B1までにどれくらいかかるのか

CEFRの一般的な目安として、ゼロからB1到達までに必要な学習時間はおよそ350〜400時間とされることが多いです(言語や学習環境によって幅があります)。これを日割りにすると、次のようなイメージになります。

1日の学習時間B1到達までの目安現実的な人
1時間約12か月働きながら・学校に通いながら
2時間約6か月渡航が決まっていて準備期間がある
3〜4時間約3〜4か月渡航直前・集中して取り組める

ただし、これは「正しい順番で学んだ場合」の数字です。実際には、独学で単語帳とアプリを行き来して1年経ってもA2から動かない、というケースが珍しくありません。時間よりも、順番のほうが効きます。

イタリア語は日本人にとって有利な言語でもあります。ローマ字読みに近く発音の習得が早い、母音がはっきりしていて聞き取りやすい。一方で、動詞の活用と性・数の一致という、日本語にはない仕組みを最初に受け入れる必要があります。

B1到達までのロードマップ

  1. 発音を先に固める(最初の2週間) — イタリア語は綴りと音の対応が規則的なので、ここは短期間で終わります。最初に固めるほど、あとの全部が楽になります
  2. A1: 現在形と基本の名詞・形容詞 — 自己紹介と身の回りのことを言えるように
  3. A2: 過去形(近過去)と未来 — 「昨日〜した」が言えると会話が一気に成立します
  4. B1: 半過去・条件法・接続法の入口 — 理由や仮定を説明できるように。ここがA2との分水嶺
  5. 試験形式に慣れる — CILSやCELIを受けるなら、実力とは別に形式への対策が必要です

各段階の詳しい進め方はイタリア語を学ぶにまとめています。試験そのものについては検定対策もあわせてどうぞ。

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